ライフハックとしてではなく、英語学習にも極めて有用なのが、著名人が10分程度のプレゼンを行うTEDです。
TED Talksとは、あらゆる分野のエキスパートたちによるプレゼンテーションを無料で視聴できる動画配信サービスのことです。10年ほど前にサービスが開始されてから、政治、心理学、経済、日常生活などの幅広いコンテンツが視聴できることから人気を集めています。
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TEDは4000を超える膨大な数の動画があります。しかし慣れないうちは、動画の探し方や視聴のコツが分かりませんよね。この記事では、数多くのTEDを見てきた管理人(塩@saltandshio)が、心を揺さぶられたトークをあらすじと一緒にご紹介します。
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ガイ・ウィンチ: 失恋の傷心から立ち直る方法
大抵の人は人生のどこかで、失恋を経験します。この場合だけに感じる独特の心の痛みにもっと注意を向けることで、人生がどれほど変わるか、想像してみませんか。人間は時として、心が折れるような痛手を経験しますが、だからといって我が身もろとも壊れる必要はないのです(約12分半)。
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メンタルクリニックをしている心理学者のガイ・ウィンチもとには、日々いろんな患者さんがやってきます。そのなかには失恋して立ち直れない人もやってきます。人は失恋すると、いったいどうなってしまうのでしょうか。ひとつの事例として、彼はキャシーを紹介します。
キャシーは中学生の時に壮大な人生設計をしていました。将来の夫に27歳で出会い、その翌年に婚約して、さらに次の年に結婚する予定というものです。しかし、27歳の時に実際に彼女に訪れたのは、その後4年間にもわたるガンとの戦いでした。
無事に病気を克服したキャシーは、ひとりの男性と恋に落ちます。恋愛は彼女が思う通り順調に進みましたが、いよいよ婚約かというときに彼から別れを告げられます。じつは、彼はキャシーのことを大切には思っていたものの、ときめきを感じていなかったのです。そうしてキャシーは失恋しました。
キャシーは失恋がもたらした絶望で心が砕けてしまい、その痛みは5カ月経ってもまったく消える気配がありませんでした。
ここで質問です。なぜ、こうなるのでしょう?彼女のように驚くほど芯が強くしっかりした女性でも、気持ちを整理できないのはなぜでしょう?4年もの間、がん治療に耐え抜いた強い女性なのに。
The question is: Why? Why was this incredibly strong and determined woman unable to marshal the same emotional resources that got her through four years of cancer treatments?
20年にわたって、ガイ・ウィンチはあらゆる世代や立場の人々が、いろいろなタイプの失恋に直面するのを目にしてきました。そうしてわかったことは、失恋した時は自分の心の声に従ってはいけない、ということです。なぜなら、普段は頼りにするべき自分の本能が、自分自身を間違った方向へと導いてしまうからです。
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自分の心の声に従ってはいけないのなら、失恋した人はどのような行動を起こせばいいのでしょうか。
例えば、失恋した人の研究から明らかになったのは、恋人との関係が終わった理由をはっきり自覚することが、次の一歩を踏み出すのに非常に重要だということです。
For example, we know from studies of heartbroken people that having a clear understanding of why the relationship ended is really important for our ability to move on.
元恋人が、どんなに理路整然と別れた理由を述べたとしても、相手は理解することを拒みます。なぜなら、失恋は激しく感情を傷付けるため、別れの理由もその傷と同じくらい深刻なものと心は思ってしまうからです。この、心の声(本能)が強すぎて、普段は落ち着いた人でさえ、冷静さを失ってしまうのです。
脳の研究で、失恋と薬物中毒者の離脱症状は、脳内で同じ部位が活性化するということが分かっています。つまり、恋愛中の人は薬物を打っているのと同じ快感を味わっているということです。恋愛中毒という言葉がありますが、これはあながち間違った比喩ではなかったのです。
しかし、失恋すると供給されていた薬物が途絶えるため、代わりに「彼との楽しかった思い出」という代替品にすがるようになります。このことからわかるように、失恋から立ち直ることは、決して容易なことではありません。その理由が、中毒症状から抜け出ないといけないからだとすると、どれほど難しいかわかりますね。
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恋人と別れた現実を受け入れることは、簡単ではありません。しかし、去っていた相手をいつまでも思い出したり、SNSでネット検索している行為は、自分の恋愛中毒を悪化させるだけでなく、心の傷を深くして回復を遅らせてしまいます。
失恋を乗り越える過程は、「旅」ではありません。「戦い」です。理性が最大の武器となります。心の底から納得できる別れの理由なんて存在しません。あなたが感じる心の痛みは、理屈では取り除けないのです。
Getting over heartbreak is not a journey. It’s a fight, and your reason is your strongest weapon. There is no breakup explanation that’s going to feel satisfying. No rationale can take away the pain you feel.
恋愛中毒から抜け出すためには、別れた理由探しをやめるのが一番です。待つのも無駄だと、受け入れることも大切です。自分のなにがよくなかったのか、という疑問すら持たないのも必要になります。なぜなら、中毒から抜け出すには自分の抱える心の問題に決着をつけなければいけないからです。
そのために、失恋した人は自分から進んで過去を忘れる必要があります。関係が終わったことを、心から受け入れなければいけません。さもなければ、心はまた“はかない望み”にすがりつき、足を引っ張ります。失恋した時の希望は、非常に有害なものでしかありません。
失恋は恋に破れた人の心をやすやすと操ります。恋人のことを思い出すたびに、『本来の自分』からどんどん離れた場所へと連れて行ってしまうのです。
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ガイ・ウィンチが失恋した人にオススメしているのは、スマートフォンのメモ帳などに“相手と自分のあわないところリスト“を作成することです。
どんなときに嫌な思いをしたか、どんな理由で喧嘩をしたか、こういうところは意見が合わなかった……などなど、悪いところリストを準備します。それを、元恋人のことを思い出すたびすぐにリストを見るのです。プラスの思い出にマイナスの思い出をぶつけることで、心のバランスが取れやすくなります。
人の脳は、別れた相手こそ理想だと思いたがるのです。実は全然違います。関係だって完璧ではなかった。失恋を乗り越えるには、自分にそう言い聞かせる必要があります。何度でもです。
Your mind will try to tell you they were perfect. But they were not, and neither was the relationship. And if you want to get over them, you have to remind yourself of that, frequently.
失恋すると、人は酷い喪失感に襲われます。心の痛みと孤独感により、IQ(知能指数)が一時的にかなり損なわれることもわかっています。失恋の痛みは、大切な人が死別した際にあらわれる症状とほぼ同じとされています。具体的には、不眠症や侵入的思考のほか、免疫力も低下します。40%の人は、医学的に認められるうつ状態を経験するほど、失恋は複雑な心理的外傷なのです。
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失恋をしたり、なにか大きなショックを受けた際に、人は『心に穴がポッカリあいた』というような言葉を使います。まさにその通りで、失恋した人は心のいろんな場所に穴が開いてしまった状態になっています。
失恋した人は、恋人だけを失ったわけではありません。恋人が持っていたコミュニティも無くしています。つまり、問題を複雑化しているのは、失った“穴”が一つだけではないということです。失恋が大惨事と言われるのはこのためです。しかし、逆をいえばこの“穴”を特定して、それらを埋めていけば失恋の傷を癒すことが出来るということです。
失恋を克服するのは困難なことです。それでも自分の気持ちに惑わされず、回復に向けて一歩を踏み出せば、苦しみはかなり軽減されます。
それで救われるのは、あなただけではありません。
Getting over heartbreak is hard, but if you refuse to be misled by your mind and you take steps to heal, you can significantly minimize your suffering.
And it won’t just be you who benefit from that.
失恋から立ち直るのは簡単なことではありません。ですが、失恋から立ち直っていくうちに友人と向き合えるようになり、家族と一緒に過ごす時間が増えるようになります。学力が落ちて勉強に身が入らなくなることも、職場での生産性が落ちることもなくなるでしょう。
もし、あなたのそばに失恋した人がいたら、慰めの言葉をかけてください。なぜなら、周りのサポートが重要な役割を果たすからです。心に痛手を負った人は、傷が癒えるまでには多くの時間を必要とします。寄り添うことも大きな力になり、気長に見守ることも失恋した人の支えになるでしょう。
止まない雨はなく、明けない夜はありません。いま、傷心中の人も、いつかはきっとまた笑える日がやってきます。そのことをどうか忘れないでください。
英語全文
At some point in our lives, almost every one of us will have our heart broken.
<全文を読む>▼クリック▼
Soon afterwards, she met Rich and fell in love. The relationship was everything she hoped it would be. Six months later, after a lovely weekend in New England, Rich made reservations at their favorite romantic restaurant. Kathy knew he was going to propose, and she could barely contain her excitement.
But Rich did not propose to Kathy that night. He broke up with her. As deeply as he cared for Kathy — and he did — he simply wasn’t in love.
Kathy was shattered. Her heart was truly broken, and she now faced yet another recovery. But five months after the breakup, Kathy still couldn’t stop thinking about Rich. Her heart was still very much broken. The question is: Why? Why was this incredibly strong and determined woman unable to marshal the same emotional resources that got her through four years of cancer treatments? Why do so many of us flounder when we’re trying to recover from heartbreak? Why do the same coping mechanisms that get us through all kinds of life challenges fail us so miserably when our heart gets broken?
In over 20 years of private practice, I have seen people of every age and background face every manner of heartbreak, and what I’ve learned is this: when your heart is broken, the same instincts you ordinarily rely on will time and again lead you down the wrong path. You simply can not trust what your mind is telling you.
For example, we know from studies of heartbroken people that having a clear understanding of why the relationship ended is really important for our ability to move on. Yet time and again, when we are offered a simple and honest explanation like the one Rich offered Kathy, we reject it. Heartbreak creates such dramatic emotional pain, our mind tells us the cause must be equally dramatic. And that gut instinct is so powerful, it can make even the most reasonable and measured of us come up with mysteries and conspiracy theories where none exist. Kathy became convinced something must have happened during her romantic getaway with Rich that soured him on the relationship, and she became obsessed with figuring out what that was. And so she spent countless hours going through every minute of that weekend in her mind, searching her memory for clues that were not there. Kathy’s mind tricked her into initiating this wild goose chase. But what compelled her to commit to it for so many months?
Heartbreak is far more insidious than we realize. There is a reason we keep going down one rabbit hole after another, even when we know it’s going to make us feel worse. Brain studies have shown that the withdrawal of romantic love activates the same mechanisms in our brain that get activated when addicts are withdrawing from substances like cocaine or opioids. Kathy was going through withdrawal. And since she could not have the heroin of actually being with Rich, her unconscious mind chose the methadone of her memories with him. Her instincts told her she was trying to solve a mystery, but what she was actually doing was getting her fix. This is what makes heartbreak so difficult to heal. Addicts know they’re addicted. They know when they’re shooting up. But heartbroken people do not. But you do now. And if your heart is broken, you can not ignore that. You have to recognize that, as compelling as the urge is, with every trip down memory lane, every text you send, every second you spend stalking your ex on social media, you are just feeding your addiction, deepening your emotional pain and complicating your recovery.
Getting over heartbreak is not a journey. It’s a fight, and your reason is your strongest weapon. There is no breakup explanation that’s going to feel satisfying. No rationale can take away the pain you feel. So don’t search for one, don’t wait for one, just accept the one you were offered or make up one yourself and then put the question to rest, because you need that closure to resist the addiction. And you need something else as well: you have to be willing to let go, to accept that it’s over. Otherwise, your mind will feed on your hope and set you back. Hope can be incredibly destructive when your heart is broken.
Heartbreak is a master manipulator. The ease with which it gets our mind to do the absolute opposite of what we need in order to recover is remarkable. One of the most common tendencies we have when our heart is broken is to idealize the person who broke it. We spend hours remembering their smile, how great they made us feel, that time we hiked up the mountain and made love under the stars. All that does is make our loss feel more painful. We know that. Yet we still allow our mind to cycle through one greatest hit after another, like we were being held hostage by our own passive-aggressive Spotify playlist.
Heartbreak will make those thoughts pop into your mind. And so to avoid idealizing, you have to balance them out by remembering their frown, not just their smile, how bad they made you feel, the fact that after the lovemaking, you got lost coming down the mountain, argued like crazy and didn’t speak for two days. What I tell my patients is to compile an exhaustive list of all the ways the person was wrong for you, all the bad qualities, all the pet peeves, and then keep it on your phone.
And once you have your list, you have to use it. When I hear even a hint of idealizing or the faintest whiff of nostalgia in a session, I go, “Phone, please.”
Your mind will try to tell you they were perfect. But they were not, and neither was the relationship. And if you want to get over them, you have to remind yourself of that, frequently.
None of us is immune to heartbreak. My patient Miguel was a 56-year-old senior executive in a software company. Five years after his wife died, he finally felt ready to start dating again. He soon met Sharon, and a whirlwind romance ensued. They introduced each other to their adult children after one month, and they moved in together after two. When middle-aged people date, they don’t mess around. It’s like “Love, Actually” meets “The Fast and the Furious.”
Miguel was happier than he had been in years. But the night before their first anniversary, Sharon left him. She had decided to move to the West Coast to be closer to her children, and she didn’t want a long-distance relationship. Miguel was totally blindsided and utterly devastated. He barely functioned at work for many, many months, and he almost lost his job as a result. Another consequence of heartbreak is that feeling alone and in pain can significantly impair our intellectual functioning, especially when performing complex tasks involving logic and reasoning. It temporarily lowers our IQ.
But it wasn’t just the intensity of Miguel’s grief that confused his employers; it was the duration. Miguel was confused by this as well and really quite embarrassed by it. “What’s wrong with me?” he asked me in our session. “What adult spends almost a year getting over a one-year relationship?” Actually, many do.
Heartbreak shares all the hallmarks of traditional loss and grief: insomnia, intrusive thoughts, immune system dysfunction. Forty percent of people experience clinically measurable depression. Heartbreak is a complex psychological injury. It impacts us in a multitude of ways. For example, Sharon was both very social and very active. She had dinners at the house every week. She and Miguel went on camping trips with other couples. Although Miguel was not religious, he accompanied Sharon to church every Sunday, where he was welcomed into the congregation. Miguel didn’t just lose his girlfriend; he lost his entire social life, the supportive community of Sharon’s church. He lost his identity as a couple. Now, Miguel recognized the breakup had left this huge void in his life, but what he failed to recognize is that it left far more than just one. And that is crucial, not just because it explains why heartbreak could be so devastating, but because it tells us how to heal. To fix your broken heart, you have to identify these voids in your life and fill them, and I mean all of them. The voids in your identity: you have to reestablish who you are and what your life is about. The voids in your social life, the missing activities, even the empty spaces on the wall where pictures used to hang. But none of that will do any good unless you prevent the mistakes that can set you back, the unnecessary searches for explanations, idealizing your ex instead of focusing on how they were wrong for you, indulging thoughts and behaviors that still give them a starring role in this next chapter of your life when they shouldn’t be an extra.
Getting over heartbreak is hard, but if you refuse to be misled by your mind and you take steps to heal, you can significantly minimize your suffering. And it won’t just be you who benefit from that. You’ll be more present with your friends, more engaged with your family, not to mention the billions of dollars of compromised productivity in the workplace that could be avoided.
So if you know someone who is heartbroken, have compassion, because social support has been found to be important for their recovery. And have patience, because it’s going to take them longer to move on than you think it should. And if you’re hurting, know this: it’s difficult, it is a battle within your own mind, and you have to be diligent to win. But you do have weapons. You can fight. And you will heal.
Thank you.
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