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全員、裸の王様!―駄目な人が自分ではすごいと思っている理由(TED)

釣り

ライフハックとしてではなく、英語学習にも極めて有用なのが、著名人が10分程度のプレゼンを行うTEDです。

TED Talksとは、あらゆる分野のエキスパートたちによるプレゼンテーションを無料で視聴できる動画配信サービスのことです。10年ほど前にサービスが開始されてから、政治、心理学、経済、日常生活などの幅広いコンテンツが視聴できることから人気を集めています。

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TEDは4000を超える膨大な数の動画があります。しかし慣れないうちは、動画の探し方や視聴のコツが分かりませんよね。この記事では、数多くのTEDを見てきた管理人(塩@saltandshio)が、心を揺さぶられたトークをあらすじと一緒にご紹介します。

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デイヴィッド・ダニング:駄目な人が自分ではすごいと思っている理由

デイヴィッド・ダニング:駄目な人が自分ではすごいと思っている理由

お金のやりくりはどれくらい上手ですか?人の気持ちを推し量るのはどうでしょう? 知っている人たちと比べて、どれくらい健康的でしょうか? 自分の能力が他の人と比べてどれくらいか把握していると、いろいろ有用なものです。しかし心理学の研究によると、私たちは自分の能力の正確な評価があまり上手くないようで、実際過大評価していることが多いのです。ダニング=クルーガー効果と呼ばれる心理現象について、デイヴィッド・ダニングが解説してくれます(約4分半)。David Dunning / Why incompetent people think they’re amazing.

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自分を認めると自尊心が高まるけれど……

一般に、欧米人は自己肯定感が高く、日本人は自己肯定感が低いとされています。たしかに、欧米人は自己主張をしっかりしてパワフルに生きている印象があります。

平成30年度(2018年)版の内閣府調査でも、「自分に満足」という人の比率は、欧米諸国で80%台なのに対して日本では40%台、「自分には長所がある」という人の比率は、欧米諸国では90%前後なのに対して日本では60%程度となっている。このように、自己肯定感の国際比較をすれば、欧米人は非常に高く、日本人はそれに比べて極めて低くなる。

自己肯定感が高い欧米人と低い日本人、何が違うのか? / DIAMOND on line

しかし、この記事を書かれている榎本博明氏は、一方で日本人も欧米人並みに自己肯定感が高いと評価しています。

実際、意識化されていない自尊感情(自己肯定感)を測定した心理学者山口勧たちの実験では、日本人とアメリカ人の自尊感情に差はみられなかった。

つまり、日本人の心には謙遜の美徳が深く根づいているため、意識調査では欧米人と比べて自己肯定感が著しく低くなるものの、潜在意識を測定してみると、欧米人と同じくらいの自己肯定感を保っているというわけである。

日本人は本当に自己肯定感が低いのか、潜在意識では米国人と同じ?/ DIAMOND on line

詳しくは、自己肯定感という呪縛 (青春新書インテリジェンス) [ 榎本博明 ]に詳しく書かれているのでぜひご覧になっていただきたいのですが、つまりは欧米人も日本人もじつはそれほど自己肯定感に変わりはなく、お互いに高いという結果になります。

一般に、自分を認めると自尊心や自己肯定感が高まると言われていますが、『自分は出来る奴』だと思っている人ほど、周りから見たら『使えない』と思われているのは、ドラマや映画だけではなく、現実世界でもしばしば見られることです。いったい、なぜこのような勘違いが起きてしまうかみていきましょう。

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ダニング=クルーガー効果とは

自分の立ち位置を把握することは、他人を手助けするうえでも重要な指針になります。

しかし、心理学の研究は私たちが自分を正確に評価するのがあまり上手くないことを示していて、実際には自分の能力を過大評価していることが良くあります。

専門家はこの現象を「ダニング=クルーガー効果」と呼んでいます。

But psychological research suggests that we’re not very good at evaluating ourselves accurately. In fact, we frequently overestimate our own abilities.

Researchers have a name for this phenomena, the Dunning-Kruger effect.

この効果については、100以上の研究結果からも明らかになっている心理的効果で、様々な研究で人がなぜ幻想の優位性を抱くのか説明されています。実際に、アメリカのドライバーの実に88%の人が、自分の運転技術は平均より上だと考えています。

日本でも昨今話題になる、高齢者の免許返納問題ですが、これも一種のダニング=クルーガー効果といえるでしょう。

2005年の調査では、免許を返納しない理由の第1位が「まだ普通に運転できるから」で、全体の約73%を占めます。一方、2019年にNEXCO東日本が高齢ドライバーに対して実施した調査では、76.0%の高齢男性ドライバーが「自分の運転に自信あり」と回答

運転技術に関するほぼ同じ内容の質問に対して、ほぼ同じ回答がほぼ同じ割合で示されているのです。時代によって運転意識に多少の変化はあるかもしれませんが、傾向としては大差がないことがうかがえます。

高齢ドライバーが免許を返納しない理由とは? / アサヒ総合研究所

このように、人は自分を他の人の多くよりも高く評価する傾向があって、それは仕事に限らず健康からリーダーシップまで随所にみられることです。

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能力の低い人ほど自分の能力を過大評価しがち

ダニング=クルーガー効果の興味深い点は、能力の低い人ほど自分の能力を大きく過大評価しがちだということです。勉強からお金の知識、感情的知性に至るまで、明らかに劣っている人が専門家並みの自己評価をする傾向があります

このような妄想を抱きやすいのはどういう人なのでしょう?

残念ながらみんなです。誰でも自分で認識していない無能な面を持っているものですから。

So who’s most vulnerable to this delusion?

Sadly, all of us because we all have pockets of incompetence we don’t recognize.

1999年に、初めて心理学者のダニングとクルーガーがこの効果について書いたとき、何かの領域で知識やスキルを欠く人は、二重の呪いを受けることを指摘しています。

  1. ミスを犯し、あやまった判断をする
  2. 同じ知識の欠落のため、自分の間違いを捉え損ねる

つまり、能力の低い人ほど自分の能力を大きく過大評価しがちですが、それを認識するスキルも欠いているため、自分が劣っていることに気付いていないともいえます。しかし、勘違いしないでいただきたいのは、ダニング=クルーガー効果はエゴのために自分の弱みに盲目になるわけではありません。

ある研究では、テストを受けて成績が悪かった生徒に、あとでなぜ問題を間違ったかという説明をきちんとすると、彼らは自分の欠点を進んで受け入れています。これは、どの分野においても周りの人が高く評価している人ほど、「自分はまだまだ」と言うシチュエーションに通じるものがあります。ミスや失敗を多く経験した人ほど謙虚になるというのは、こうした経験から基づくものかもしれません。

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専門家もまた別の意味で勘違いをしている

能力の低い人ほど自分の能力を大きく過大評価しがちということは、高い知識をのある専門家たちは自分を勘違いしないものなのでしょうか。

専門家は、自分にどの程度知識があるか把握している一方、別種の間違いがよく見られます。

他のみんなも自分と同じくらいに分かっているものと仮定するのです。

Meanwhile, experts tend to be aware of just how knowledgeable they are.

But they often make a different mistake: they assume that everyone else is knowledgeable, too.

つまり、能力が低い人も高い人も、そのどちらも不正確な自己認識に捕らわれているのです。スキルが低い人には自分の欠点が見えませんし、非常に有能な人は自分の能力がどれほど普通でないかを認識していないのです。これは、非常に興味深いことです。

イギリスで放映された、SHERLOCK/シャーロックの主人公、現代版シャーロック・ホームズも天才ゆえにエキセントリックな行動をとって周りの人を翻弄していましたが、当の本人は自分が変な人だとは思っていません。

SHERLOCK/シャーロック』(英語: Sherlock)は、2010年7月から2017年まで放送されていた、アーサー・コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを翻案したイギリス・BBC製作のテレビドラマ。

舞台を21世紀のイギリスに置き換え、自称「コンサルタント探偵」であるシャーロック・ホームズがスマートフォンやインターネットといった最新機器を駆使して事件を解決する様を描く。各エピソードはドイルの原作を下敷きとしている。

SHERLOCK/シャーロック / Wikipediaより

つまり、ありとあらゆる人が自分のことを勘違いしているのです。

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まとめ:他人の言葉に素直に耳を傾けよう

ダニング=クルーガー効果が、自分では自覚できない側面について語られたものならば、どうやって自分がどれほどの人なのかを知ることが出来るのでしょうか。

第1に、他の人からのフィードバックを求め、耳が痛くともよく検討することです。

第2に、さらに重要なのは学び続けるということです。

First, ask for feedback from other people, and consider it, even if it’s hard to hear.

Second, and more important, keep learning.

芸能界最強の占い師と呼ばれているゲッターズ飯田さんでも、ブログには「まだまだ」だと書いています。謙虚であることと卑屈なことは違いますが、他人の意見に耳を傾けて、一歩引いて自分をみることは、人生においてとても大切なことだといえるでしょう。

英語全文

Are you as good at things as you think you are? How good are you at managing money? What about reading people’s emotions? How healthy are you compared to other people you know? Are you better than average at grammar? Knowing how competent we are and how are skill stack up against other people’s is more than a self-esteem boost. It helps us figure out when we can forge ahead on our own decisions and instincts and when we need, instead, to seek out advice.

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But psychological research suggests that we’re not very good at evaluating ourselves accurately. In fact, we frequently overestimate our own abilities. Researchers have a name for this phenomena, the Dunning-Kruger effect. This effect explains why more than 100 studies have shown that people display illusory superiority.

We judge ourselves as better than others to a degree that violates the laws of math. When software engineers at two companies were asked to rate their performance, 32% of the engineers at one company and 42% at the other put themselves in the top 5%. In another study, 88% of American drivers described themselves as having above average driving skills. These aren’t isolated findings.

On average, people tend to rate themselves better than most in disciplines ranging from health, leadership skills, ethics, and beyond. What’s particularly interesting is that those with the least ability are often the most likely to overrate their skills to the greatest extent. People measurably poor at logical reasoning, grammar, financial knowledge, math, emotional intelligence, running medical lab tests, and chess all tend to rate their expertise almost as favorably as actual experts do. So who’s most vulnerable to this delusion? Sadly, all of us because we all have pockets of incompetence we don’t recognize.

But why?

When psychologists Dunning and Kruger first described the effect in 1999, they argued that people lacking knowledge and skill in particular areas suffer a double curse. First, they make mistakes and reach poor decisions. But second, those same knowledge gaps also prevent them from catching their errors. In other words, poor performers lack the very expertise needed to recognize how badly they’re doing.

For example, when the researchers studied participants in a college debate tournament, the bottom 25% of teams in preliminary rounds lost nearly four out of every five matches. But they thought they were winning almost 60%. WIthout a strong grasp of the rules of debate, the students simply couldn’t recognize when or how often their arguments broke down. The Dunning-Kruger effect isn’t a question of ego blinding us to our weaknesses. People usually do admit their deficits once they can spot them. In one study, students who had initially done badly on a logic quiz and then took a mini course on logic were quite willing to label their original performances as awful.

That may be why people with a moderate amount of experience or expertise often have less confidence in their abilities. They know enough to know that there’s a lot they don’t know. Meanwhile, experts tend to be aware of just how knowledgeable they are.

But they often make a different mistake: they assume that everyone else is knowledgeable, too. The result is that people, whether they’re inept or highly skilled, are often caught in a bubble of inaccurate self-perception. When they’re unskilled, they can’t see their own faults. When they’re exceptionally competent, they don’t perceive how unusual their abilities are.

So if the Dunning-Kruger effect is invisible to those experiencing it, what can you do to find out how good you actually are at various things? First, ask for feedback from other people, and consider it, even if it’s hard to hear. Second, and more important, keep learning. The more knowledgeable we become, the less likely we are to have invisible holes in our competence. Perhaps it all boils down to that old proverb: When arguing with a fool, first make sure the other person isn’t doing the same thing.

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